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院長 | 松岡 良一 |
炭粉さんの零式活人術Ⅱという本を読んだ。
炭粉さんは、元々空手をされていて、保江先生と出会い、現在は、空手家としても、治療家としても凄い人だ。
炭粉さんの本をいつも楽しく読ませて頂いている。
この本の中で、実は私も八年前までは、空手はこうあるべきだ。稽古は、修行はこうあるべきだとの見解を強くもっていました。そんな私が、武道に対して主義主張もない保江邦夫という男にいとも簡単に投げ飛ばされたのです。何を言いたいのかと言えば、主義主張とは関係ないところで本当に大切なモノがシンプルに用意されていることもある、ということです。つまり、人生には「これが絶対に正しいという正解」などない、ということになります。少なくとも私は、だから保江先生との勝負の後しばらく経ってから、自分が持っていた空手や武道の、人生そのものに対しても「~あるべき」という気持ちを捨ててしまいました。そして「どう力んでも自分の人生など大したことではない」との考えから、外で酒を呑むことも、酔っ払って恥をかくことも、もうどっちでもよくなってしまいました。「自分はいつ死んでもおかしくない」状況になった時、さらにその考えは強まったのです。決して自暴自棄ではありません。ですが一種の達観かも知れません。特別な修行と主義主張があろうがなかろうが、成功する時は成功するし失敗する時は失敗する。奇跡は、たかが人間の至り得る境地を待たずに起こり得ることを知ることこそが、自分の人生哲学にとって素晴らしい発見となったのです。想像するに、おそらく保江先生も同じ考えに至られたのではないか・・・
と書かれています。
保江先生に、炭粉さんの本を見せて、先生、炭粉さん、先生に出会って、ここに気づいて良かったですねと言いました。
先生は、炭粉さんは、頭が良くて、追究しているから、分かったんですよ、追究しないと、分からないですよと話してくれました。
人生において、あやふや、漠然、中途半端、にしていると、その意味に気づかない。
興味が有る事を調べてみる。踏み込んでみる。そうすると、以前より分かるようになる。すると、疑問点が出てくる。そこを考えてみる。行動してみる。そうすると、より深く分かるようになる。興味がある事、本人が大事にしている事には、アンテナが立つ、そうして、興味のある事や、本人が大事にしている事に反応する。逆にそこに何かモノがあっても、興味がなければ、本人に関係なければ、反応しない。もうひとつ、アンテナが立つと、そこに興味のあるものや、本人に関係するものが集まってくる。それは、アンテナの性能が上がれば、上がるほど、強くなる。また、違う言い方をすると、本来は、全て繋がっている。そうして、本人の興味のあるところから気づいていく感じだと思う。だから、本人の価値観とか、今の視点で分からなくても、ちゃんと、本人の奥底で求めているものの流れに乗っている。となると、心に葛藤があっても、なくても、大丈夫という事になる。葛藤がある時は、とにかく、何でもやってみる。そうして、やりつくすと、うまくいく。いかなくても、全てをやりつくしたから、納得で出来る。
これが、追究するの意味かなと思う。あくまでも、本人の出来る範囲で、本人なりに納得出来る考えを受け入れると,今よりは、楽になると思う。師走でざわざわしている人もいると思いますが、頑張っていきましょう!